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ああ、サウダーデ…哀愁のリスボン旅行⇒期間:1997年 10月29日~11月3日 やっと念願だったポルトガル――リスボンに行くことができました。同行者は女房だけ、いってみれば旧婚旅行です。
by sr_barbieri
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1日目―CHEGADA(到着)

――A.M.10:30

《KL870便 就航記念式典/名古屋―札幌―アムステルダム》

 のパネルを背に、KLM社長・駐日オランダ大使などのあいさつが続きます。地元名古屋のテレビ局・新聞各社がこぞって取材に来ていました。

 われわれ夫婦のとなり、ボーイング747の3人掛シートの窓側の席に座ったのは、妙齢の女性です。彼女は名古屋のカントリーバンドでベースをやっているとかで、ひとりで1ケ月間アイルランドを旅するそうです。なんでもカントリーのルーツがアイルランドにあるとか……そういえば、アイルランドは民謡の宝庫でしたね。

 驚いたことに、この女性はわれわれ夫婦のお仲人さんの知り合いでもありました。その方も昔からアマチュアバンドをやっているんですが……にしても世間は狭い。

 いろんなことをしゃべっているうちに、空席わずか3席のKLM機は札幌を飛び立ってアムステルダム・スキポール空港へ着陸しました。(ほんとうは長かった)

 しかし、初めて降りましたが、スキポール空港は予想以上に広くて立派で驚きました。

 いつもアサヒスーパードライ一辺倒の私は、ネーデルランド産のハイネケンなんてまずいと毛嫌いしていたのですが、ここの空港の立ち飲みカウンターで飲んだ生ビールだけはおいしかったです。さてここからは、小型のKL493便に乗り換えて一路リスボンへ。21:00に離陸、定刻どおり深夜23:05、ポルトガル――ポルテラ・デ・サカヴェン空港に到着しました。(1時間の時差があるので、所要時間は約3時間)

 到着時刻が遅いせいか、空港内は薄暗く閑散としていて入国審査もありません。来年開催されるリスボン万博のシンボル・キャラクターであるジル(GIL)くんだけがバンザイをして出迎えてくれます。入国カードも記入せず。よってパスポートにポルトガル入国のスタンプなし。近ごろEU諸国はどこもそうだとは聞いていましたが、いささか拍子抜け状態であります。

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 ガイドプックには、ホテルは論外ながら、市内の銀行より空港で両替したほうがレートがよいとあります。仰せにしたがってここでふたり分8万円を両替。手数料は600エスクード(420円)でした。(1エスクード=約0・7円)

 さて、なにはともあれリコンファームをするのが格安航空券利用者の鉄則と、構内のKLM予約カウンターを探したところ、深夜ゆえ閉まっています(当然ですね)。ウィンドウには明朝は9時から営業と記されています。帰りの便が11月2日の午前5時35分と早いので、その時間だと72時間を割っているのです(なんと短い滞在だこと)。

 ――リコンファームって、72時間前までにしなけりゃだめなんじゃないの?

 と、女房は不安がりますが、

 ――なーに、開いていないんだから、明日の朝忘れずにホテルから電話すればだいじょうぶさ。

 というわけで、私たちは空港の外へ出ることにしました。もうそろそろ日付が変わろうとしています。

 空港前は薄暗くて寂れた印象です。タクシー乗り場もそれらしくなくって、なんだか不安にかられてしまいましたが、なんとか一台のタクシーに乗り込みました。

 ところが、このタクシーの運転手が高齢で耳が聞こえにくいらしく、おまけに車が予想以上にオンボロで途中何度もエンコしてしまうありさま。目の前のホテル(メリディアン・リスボア)に近い坂では、ついにわれわれも降りて押さなければならないのかと覚悟を決めたほどでした。

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 ひさかたぶりに、昔自動車学校で悩まされた「坂道発進」ということばを思い出してしまいました。到着そうそう、リスボンは7つの丘からなる坂の町というのは本当だったなと実感――。

 しかしながら、タクシーの初乗りが250エスクード(175円)と格安ですから腹も立ちません。老ドライバーも悪いと思ったのか、後部トランクを使用したにもかかわらずメーターどおりの800エスクードでいいといいます。本来ならトランク使用は300エスクード増しのはずです。わたしは日本男児のはしくれとして、両替したばかりの1000エスクード札をポンと気前よくくれてやりました――って、日本円にすればたったの700円なんですけどね――。空港からの所要時間は約15分ほどでした。

 ホテルは英語が通じました。部屋は11階の17号室。キーは最新式のカード型で、室内には4桁暗証番号のエレクトリック・セフティボックスが設置されています。安心、安心。

 ――ねえ、やっぱり気になるからリコンファームしたら?

 ――リスボンの事務所は閉まっているのにどうやって?

 ――KLMの東京事務所の電話番号があったじゃない。

 念のためにとまずリスボンの予約事務所に電話しましたが、やはりテープによるポルトガル語のインフォメーションが繰り返されるばかり。

 じゃ仕方ないかと、KLMの東京オフィスに国際電話をいれます。 

 ――あのー、リコンファームお願いします。

 ――はい。出発は成田ですか?

 ――いや、今リスボンなんですけど。リスボン――アムステルダム――大阪。

 ――……帰りの便は現地でお願いします。

 ――それが……72時間を切りそうなんですが、こちらは真夜中でコンタクト不能なんです。明日の朝9時の一番で連絡がついても68時間前になってしまいますので……。

 ――なるほど……わかりました。ではこちらで連絡しておきますから、出発日とお名前と便名をおっしゃってください。あと、お泊まりのホテルの名前と電話番号も……。ところで、必ず搭乗されますね?

 ――されます、されます。

 というしだいで、なんとかことなきを得た(と思った)のであります。(ん?)

 この日は長旅の疲れと夜も遅いので、そのままベッドにバタンキュー。やれやれ先が思いやられます。

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 そうそう、日本からの客ということで気を利かしてくれたのか、ルームサービス係の女性がこんなものを届けてくれました。南部鉄瓶に冷めた日本茶、そしてしけったアラレ。ここはいったいどこなんじゃ――(笑)。


参考:

■KLMリスボン事務所……01-8476-354
■KLM東京事務所………03-3216-0771
by sr_barbieri | 2010-11-13 23:17
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